先日、某セミナーに参加し拝聴したお話が興味深かったのでご紹介します。
テーマは
「地球規模で考え、足元から行動せよ!~アジア初 フェアトレードタウン認定 熊本市の実践~」
講師は熊本市のフェアトレードショップLOVE LAND 明石祥子代表
フェアトレードとは何ぞや→フェアトレードタウン熊本市の誕生→フェアトレードが世界のスタンダードになる未来
お話を聞いてこれまで何となく耳にしたことのあるフェアトレードに興味が湧き、実生活に取り入れてみたいなと感じました。
フェアトレードとは
フェアトレードの話に入る前に、ここ数年で企業や自治体、個人までもが俄かに取り組み始めたSDGs:持続可能な開発目標。私たちアドシンでもSDGs推進チームが立ち上がり、カードゲームなどを通して社員への意識浸透や実践に取り組んでいます。このSDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたものですが、”フェアトレード”という言葉はそれ以前から耳にしていましたよね。なんとなーく耳にする、目にする言葉。娘が小学生の頃、学校のバザーブースで売られていた”フェアトレード”コーヒーや”フェアトレード”布コースターなどを思い出します。当時の「フェアトレード」に対する私のイメージは「途上国を支援するためのボランティア的な意識での購買活動」でした。
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実際にフェアトレードが始まったのは第二次世界大戦後の1947年。アメリカから始まりヨーロッパ諸国に広がりました。その当時は、途上国のかわいそうな人たちを助けてあげよう、少しでも楽な生活が送れるようにしてあげようという主旨で「慈善貿易」が始まりです。
1960年代に入ると、途上国の人たちが貧困から抜け出し自立できるような仕組み作りが必要という動きに変化していきます。それにともないフェアトレード製品を専門に扱うフェアトレード・ショップが生まれました。また、この頃は、フェアトレードではなく「オルタナティブ・トレード」という言葉が使われていました。
1980年代に更なる変化が生じます。その元になったのは「オルタナティブ・トレード」市場の停滞。それまでのフェアトレードの支持者たちは、途上国の生産者を助けたいという一心で品質は二の次でした。しかし、そうした人たちは消費者全体の数%に過ぎず、その層にフェアトレードが行き渡ってしまうとニッチな市場は飽和状態となり、それ以上広がらなくなってしまったのです。市場を広げるには一般の消費者にも買ってもらえるよう、製品の品質を高める必要があります。より市場志向性の強い企業的な取り組みが盛んになります。それが、「オルタナティブ・トレード」から「フェアトレード」へと呼び名が変わった背景です。一般の取引や市場の中で「フェアトレード」を広めていこうという動きが強まったのです。
フェアトレードタウン運動とは
「フェアトレードタウン運動」とは、まちの行政、企業・商店、市民団体などが一体となって「フェアトレード」の輪を広げることで、途上国の生産者の人たちの自立や環境の保護保全に貢献しようとする運動です。この運動は2000年にイギリスで誕生し今では世界30カ国以上に広がり、フェアトレードタウンの数も2,000以上に達しています。
日本では、2011年に日本初のフェアトレードタウンとなった熊本市(アジアでも初!全世界1000番目)を始め、名古屋市(2015年)、逗子市(2016年)、浜松市(2017年)、札幌市(2019年)、いなべ市(2019年)の合計6都市が認定されています。岐阜県垂井町や新潟市、東京都世田谷区ほか各地でフェアトレードタウンを目指す市民活動が展開されています。
このフェアトレードタウン認定には厳格な基準 https://fairtrade-forum-japan.org/fairtradetown/standard が定められており、我が熊本市がアジア初の認定を受けたことは誇らしくもありますが、発起人である明石氏の苦労は相当なものだったようです。
フェアトレード製品が世界のスタンダードになる
そうはいっても日本ではまだまだフェアトレード製品の普及が進んでいない現状。しかし明石代表のお話ではヨーロッパの先進国(イギリス、スイス、オランダ、アイルランド)における 「国際フェアトレード認証ラベル」の認知度は80%以上とかなり高い認知率を誇っているそうです。市場規模が徐々に拡大し国際協力団体のみならず、メーカーなどの一般企業もフェアトレードに賛同。提供者・消費者双方がフェアトレードなのか・否かで製品を選び、一部の意識高い系の人だけでなく世間一般に浸透している。逆にフェアトレード認証を受けていない製品が受け入れられない未来がすぐそこまで来ているのかも知れません。
フェアトレードに参加する=自分の生活に取り入れてみる
フェアトレードについて学んでみましたが、無理のない範囲で継続的に自身の生活に取り入れる事が大事と思います。
毎朝飲むコーヒー豆をフェアトレード製品にしてみる—それだけでもフェアトレード運動に参加する第一歩。
https://www.fairtrade-jp.org/products/brand_list.php
そんなひとり一人の生活が「SDGs:持続可能な開発目標」にも繋がるのでないでしょうか。
https://e-adshin.com/sdgs
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